頭痛を引き起こす原因は様々です。慢性的にあるものか、突然起こったものか、一日の中でどのような場合に起こるのか、頭痛に伴うその他の症状があるのかなどの事項を詳しく問診することでその頭痛の原因を探っていきます。
一般的に多い頭痛は「緊張型頭痛」と言われるもので、主に頚肩凝り(筋緊張)が原因となるものです。
しかし、バットで突然殴られたような強い頭痛に嘔気や嘔吐、意識障害を伴う場合は、くも膜下出血や脳出血などを疑います。また、強い頭痛でなくても、なにがしかの神経症状(呂律難、運動麻痺、しびれなど)を伴う場合は、脳梗塞などの閉塞性の脳血管障害が疑われます。一方、慢性的に頭痛が増強していく場合は、脳腫瘍などの疾患が疑われます。
①痛みの起こるときの条件
(時間帯・気象条件など)
②痛みの持続時間
③頭のどこが痛むか
④どのような痛みか
(ズキズキ・ガンガン・ピリピリなど)
⑤使用したことのある鎮痛薬の種類・効き具合
頭部外傷では、多くの場合受傷後短時間で意識障害や運動麻痺などが出現した場合は頭蓋内出血や脳挫傷など、急性期治療を要することが多くあります。また、受傷直後には無症状であった場合でも、数日から1週間程度で何らかの症状を来す遅発性頭蓋内出血もあります。また、高齢の方に多い病気で、受傷後半月から2か月ほど経過したのち、頭痛や運動麻痺などで症状が出現する慢性硬膜下血種があります。
①頭痛がだんだん強くなってくるとき
②むかつきや嘔吐が何回もあるとき
③ぼんやりし、ほっておくとすぐ寝るとき
寝て、呼吸があらいとき
呼びかけても、返事をしなくなったとき
④ひきつけ(けいれん)があるとき。
⑤手足が動かしにくくなるとき。(麻痺)
「脳卒中」とは脳血管に障害が起こる病気の総称です。代表的なものに「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」があります。
「脳梗塞」は脳血管が詰まって脳へ血液供給が途絶え、障害を受けた脳が部分的に機能しなくなる病態で、「脳出血」は脳内の細い血管が破れ、脳の中に出血する病態です。また、「くも膜下出血」はほとんどは脳動脈瘤の破裂によって引き起こされます。
これらの血管異常は脳血管の動脈硬化性変化が発症の引き金となることがほとんどです。このの動脈硬化症を増悪させるリスクには、第一に「高血圧症」があげられます。その他にも、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満、さらには不整脈などの循環器疾患が誘因となります。そのため、これらの疾患をしっかり治療管理していくことが、脳卒中予防につながります。
①様々な程度の頭痛や意識障害
②片方の手足や顔面に力が入らない、
感覚がおかしい。(麻痺やしびれ)
③ろれつが回らない。言葉が出ない。
④他人の言葉が理解できない。
⑤物が二重に見える、片方の目が見えにくい。
視野の半分が欠ける。
⑥力はあるのに、立てない、ふらふらする。
「めまい」には「目がぐるぐる回る回転性めまい」「頭や体がフラフラする動揺性めまい」「フワフワと浮くような浮動性めまい」と大きく3つのタイプがあります。また、その原因となる病気では「耳」の病気が原因となるものと「脳」の病気が原因となるものがあります。耳が原因となっているものの多くは「良性発作性頭位めまい症」「メニエール病」「突発性難聴」などがあります。
「脳」が原因となるめまいは多くは動揺性めまいで発症し、小脳梗塞や小脳出血、脳腫瘍が原因となっている場合があります。その場合はめまいが持続し、増強することが多いです。
それ以外のめまいの原因には、直接的ではありませんが、頚肩凝り、不眠症、低血圧、貧血、自律神経失調症などが関係することがあります。
①ぐるぐる回るめまい
耳鳴り・難聴・耳閉感などの症状を伴う
⇒耳から生じるめまい(末梢性めまい)
②フラフラするめまい
複視・顔や手足のしびれ、脱力感、
ふるえなどの症状を伴う。
⇒脳から生じるめまい(中枢性めまい)
③フワフワするめまい
たちくらみ、目の前が真っ暗になる、
などの症状を伴う。
⇒平衡感覚や血圧調整の衰え
貧血などの病気によるものやお薬の副作用
しびれは「頭・脊椎・末梢神経」などの神経系の病気によるものが多くを占めますが、糖尿病などの内科的疾患によって引き起こされるものもあります。
しびれ症状ある部位から、どこの神経に障害を来たしているのか調べていきます。
長期間にわたるしびれ症状の場合は、どういったときにしびれが起きるのか、どれぐらい前から起こっているのか、一日の中で変動があるのか、などの問診が診断をつけるための重要な手掛かりとなります。
ただし、突然起こるようなしびれには、脳卒中に起因している場合もあります。
・突然の手足のしびれ
⇒脳卒中
・徐々に進行する手足のしびれ
⇒脳腫瘍
⇒脊柱管狭窄症
⇒糖尿病性末梢神経障害
その他、隠れた脳脊髄疾患により、しびれが
引き起こされていることがあります。
誰にでも見られる加齢による物忘れと、認知症による物忘れと初期は判断がつきにくい場合もありますが、
認知症によるものわすれの場合は、事柄のすべてを忘れてしまう、判断力・理解力が衰える、時間や場所があやふやになる、性格が変化する、物事に対しての興味がなくなる、などの症状が少しずつ顕著に現れてくることが多いようです。
また、認知症の中には、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫などが原因となっている場合があり、これらは治療により症状が改善する可能性があります。
認知症の多くは患者さん自身には自覚がない場合が多く、身近な方がそのサインに気づき、早期に治療することで進行を遅らせることができます。
アルツハイマー型認知症
ものわすれ症状からはじまり、物事の段取りが取れなくなる、季節や目的に合った服装ができないなどの症状が出現する。
脳血管性認知症
脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などにより、脳のネットワーク機能が壊れることが原因となる。
まだら認知症ともいわれ、記憶力や知的能力の低下はあるが、判断力などは保たれていることが多い
レビー小体型認知症
繰り返し現れる幻視と筋肉のこわばりが特徴的な症状である。